焼菓子と珈琲
AM 10:30 奈良駅に到着
有名なお寺は行ったことがあるので、緑豊かな奈良公園をのんびり歩いて、ならまちをぶらぶらしたい、そんな方におすすめのルートがあります。まずは、駅から奈良公園内をぐるぐる回る市内循環バスにのり、「春日大社表参道」で下車。ここから歩きはじめて、ならまちの迷路のような路地を楽しむ、おさんぽコースをご紹介します。
「春日大社表参道」でバスを降りて振り返ると、そこには三笠山を背景に広大な芝生が広がります。このあたりは鹿さんが多く、悠々と芝の草を食べ、群れで過ごす様子が見られることも多いです。
横断歩道をわたり浅茅ヶ原園地に入ると、このあたりも人や鹿が思い思いにさんぽをする、とてものんびりしたエリアになります。浮見堂へ向かう片岡梅林の小径は、道脇に梅の木々がたくさん植えられ、早春は白やピンクの梅がほころびます。小径を歩いて浅茅ヶ原園地を抜けながら階段を下りていくと、鷺池に浮かぶ八角形のお堂があります。このお堂は浮見堂と呼ばれ、池の上に立つ橋を渡っていくと周りには人工物が一切見えず、空と池と木々の清々しい景色に癒されます。お堂のなかにはベンチがあり、水辺には時々ボートで遊ぶ人の姿が。春は桜が咲きお花見エリアとしても人気です。
AM 11:00 珈琲豆焙煎工房 凡豆
浮見堂から抜け道をつかって、ならまちの方へと歩いていきます。ご紹介したいのが、知る人ぞ知る、煙突が目印のレトロなたたずまいが可愛い珈琲豆焙煎専門店の「凡豆」です。こちらはカフェではなく、珈琲豆や珈琲の道具が買えるショップです。戦後間もない1955年に開業され、地元の人がおうちで飲む珈琲豆を買いに頻繁に訪れます。最近はキャンプ道具として珈琲豆を挽く器具を探しに来られる方も多いのだとか。珈琲豆の種類を丁寧に説明くださり、酸化をなるべくふせぐ保存方法まで教えて頂き、おうちでの珈琲時間が楽しみになりました。私は、知り合いの方に、こちらの珈琲を飲むとぐっすり眠れると聞いて初めて買いに行ったのですが、珈琲がまろやかに感じられて胃もたれなく、とても美味しくてびっくりしました。
AM 11:30 鹿さんクッキーが買えるお店
凡豆からすぐのところにあるのが、幸福スイーツアルカイックという焼菓子専門店です。パリのお菓子やさんのようなステキな建物の前庭は草花とベンチがあり、時々地元の方が購入した焼菓子とドリンクを片手におしゃべりを楽しまれています。なかに入ると、焼菓子や紅茶の種類がたくさんあり、なかでも可愛いのが、この鹿さんクッキーです。1枚買っただけなのに、首が折れないようにと丁寧に梱包してくださり、とても嬉しくなりました。首のところ、確かに折れやすいので、購入してお庭で頂くのも楽しいかなと思います。
12:00 ならまちの路地へ
焼菓子のお店のつぎは、いよいよショップやカフェが多い通りへと入っていきます。このあたりでランチのお店を探すとよいかなと思います。上の青い看板の写真はハンバーガー屋さんマーベリック、この前の横断歩道を渡って、路地へと入っていきます。
道脇には町屋づくりのステキなイタリアンやフレンチのお店も多いですが、素通りしてしまいそうな可愛い雑貨ショップのお店もあります。上の写真は「ならまち工房」へと入る通りの路地です。個性派作家による、ふっとゆるまる雑貨のお店がたくさん集まっているので好きな方はぜひお立ち寄りください。また下の写真の路地脇のおうちも実はいろんなショップです。靴を脱いであがるノスタルジックな文具雑貨のお店、coto monoもこの路地奥にあります。大仏や鹿をモチーフにした、ならうふふ文具、奈良のお土産にぜひチェックしてみてください。
PM 1:00 カフェ春でランチ
ふらっと立ち寄ることができるのが、カフェ春という、洋食春の姉妹店のお店です。なかはこちらも町屋づくりで奥には中庭がある緑の空間があり、とても落ち着ける店内です。私はクリームコロッケを頂きましたが(奈良漬アクセントのタルタルソース)、焼きカレーが人気です。
PM 2:30 町屋の見学
ランチを食べたら、上の写真の菊岡漢方薬局のある路地までまっすぐ進み、角にある「ならまちにぎわいの家」を見学することをおすすめします。無料で入れる町屋の施設ですが、こちらの町屋、ほんとに広くて茶室や15畳もある座敷に蔵に奥の庭と、隅々まで意匠が凝っていて、約100年前に美術商の方が建築したおうちだそうです。竈もあり、時々いろんな体験イベントもされています。
PM 3:00 猿沢池へ
ならまちにぎわいの家から北上する道は、上ツ道と呼ばれるとても古い道になります。昔の人はここを旅してお伊勢さんまで行ったりしました(奈良から三重県まで歩くんですね、すごいです)。この上ツ道ぞいにも名店が多く、和菓子の樫舎、店内に炒りたての茶葉の香りがただよう田村青芳園茶舗もお土産を買うのにおすすめです。猿沢池まで出てくると、道わきにの電話ボックスの横には常夜灯があります。暗いなか旅路を急ぐ人が、常夜灯の明かりをみて、道を間違えていないと安心しながら南へと下って行ったのかなぁと想像します。
PM 3:30 路地に迷うように OYATSUYA 323へ
路地に入る楽しさを味わえるお店が、こちらのOYATSUYA323です。ここは、知らないとたどりつけない場所の代表店かもしれません。猿沢池のスターバックス横の路地に入り、中川政七商店の大きな建物の横の路地を見逃さずに入って下さい。幅1mもない細い路地に、かわいい焼菓子店があります。ちょっと伝わりにくいのでうごマップの動画をぜひ見てくださいね。大仏顔のクッキーが何とも可愛いです。またお隣のスペイン料理ウエルトさんも人気店です。
PM 4:00 路地裏のスタンドコーヒー
最後にご紹介したいのが、こちらも知らないとたどりつけない、コーヒースペシャリティのお店。奈良県最古の椿井商店街は、入り口にたつとほんとに入っていいのかな?と不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、歩いていくと現れるお洒落なコーヒースタンドに胸ときめく方も多いと思います。豆や粉も買えますが、やっぱりプロの方が淹れた珈琲の美味しさは格別なので、テイクアウトで飲むことをお勧めします。うごマップでご紹介するおさんぽの終着点はこちらのお店。ほっとコーヒーで一息、ここから三条通りへはすぐなので、奈良駅まで歩いて向かって頂けます。
うごマップ
うごマップをひらくと、駅からバスの乗り方、道の曲がり方を、うごく鹿さんがお伝えします。ぜひ知らないとたどりつけない場所へ、奈良のおもしろさを体験してくださいますように。
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記事:2024年9月 記載
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