ならまち、東大寺
AM 10:30 奈良駅に到着
せっかく奈良まで来たのなら、有名なお寺だけで帰ってしまうのはもったいない。そんな方には駅から市内循環バスに乗って、田中町まで行き、ならまちの南口から歩きはじめるのがおすすめです。
田中町のバス停の前にあるのが、人気雑貨店くるみの木が運営されている「鹿の舟」のエリア。ここには、かまどで炊く白いごはんの和定食が食べれたり、和の台所お道具が買えたりする「竈」、緑の木立にたたずむ設えがかわいいティールーム「囀」、蚊帳商家を観光案内所として開放している「繭」の3つの建物があります。
鹿の舟「繭」のなかは、自由に無料で入ることができ、くるみの木の石村由起子さんの蔵書をはじめとした、暮らし・食・文化・建築にまつわる貴重な本が1300冊ほど、お蚕さんをモチーフにした円形ライブラリーのなかに並んでいます。
円形ライブラリーの前には蚊帳に囲まれた陽光差し込む読書室があるので、ちょっとここで一休みしていくことも。スタッフさんに声をかければ2階の様子も見学でき、伝統的な町屋の建物の随所に見られる意匠の素晴らしさを堪能してみてください。
AM 11:00 竈の炊き立てごはん
鹿の舟「繭」のすぐ手前にある「竈」のなかには、ドアを開けると中央に「かまど」が配置され、吉野ヒノキの薪の火をうけて羽釜のなかで白いご飯がふつふつと炊きあげられてます。この炊きたてのご飯は、なんとおかわり自由!メインの揚げたての野菜てんぷらをまちながら、たくさんの野菜お惣菜をおともに、ついついご飯がすすみます。
店内には和の台所用具や、セレクトされた調味料や乾物などの食材が並び、ランチをしなくてもこのグローサリーは見ることができますので、ぜひぜひお立ち寄りください。ランチのお豆腐にかけて食べたお醤油やお茶なども、販売されていてお土産に買うことができます。
AM 12:00 ならまち散策スタート
鹿の舟のエリアは、ならまちの南口になり、ここから北上すると元興寺境内周りに広がるならまちの町並みを散策することができます。
12:30 砂糖傳のこんぺいとう
歩き始めるとすぐにおすすめの立ち寄り場所があります。かわいい金平糖のお菓子を販売する「砂糖傳」。金平糖の味の種類がとにかく豊富で箱がかわいいので、お土産にもおすすめです。また、金平糖だけでなく必見なのが、何種類もののいろんな砂糖の販売です。煮物用、スイーツ作り用と、産地別に説明書きもあり、用途別に最適な砂糖を小さな袋で購入することができますので、お料理好きの方はぜひチェックしてみてください。
さらに北上をつづけ、蚊帳のれんの看板と白壁が美しい建物にでてきたら、道を曲がる合図です。この通りにはたくさんのショップがあり、景色に溶け込むように佇むステキなお店を、ぜひ逃さずおさんぽして頂けたらと思います。
PM 1:00 奈良町にぎわいの家で町屋見学
約100年前に骨董商の方が建てられたの町屋が保存され、靴を脱いで畳にあがり中を見学することができます。奥に奥に続く座敷には、離れや庭、蔵、仏間などがあり、あちこちにこだわりの建築意匠が見られます。土間にはおくどさんがあり、入り口近くには箱階段で2階にも上ることができます。町屋の2階は奉公人の部屋であることが多いですが、こちらの2階は商談に用いられたいわばちょっとヒミツの座敷があったそうです。そのため、にじり口のような場所があり、ここからお客様へのお給仕がされたのだとか。時々イベントもされていますし今は外国の方にとても人気の施設となっています。
PM 2:00 ちょっとお買いもの
わたしがよく立ち寄るのは、靴下のお店「糸季」です。菊岡漢方薬局の前をとおりすぎ、まっすぐ歩いた角にあるこの可愛いお店には、オーガニック天然素材の履き心地良い靴下をはじめ、ステキな布物雑貨が並んでいます。靴下としてはちょっとお高く感じる2000円ほどのお値段ですが、履いてみると驚く足裏の感触。足裏から心地よいと一日の快適さがこんなに違うのかと!奈良県は靴下の産地、この品質を知ると実感しました。ラッピングもかわいいので、私は誰かへのプレゼントにと、よくこちらの靴下を買い求めています。
くつした「糸季」のとなりにあるのが、「風の栖(すみか)」というお店です。天然素材の衣服を中心に小物や雑貨もあつかっておられるので、ぜひちょこっとのぞいてみてください。小さな一輪挿しや、かわいい糸切りばさみなど、こちらで購入して愛用している品が私のおうちにはたくさんあります。
PM 3:00 大和茶カフェ茶樂茶
糸季や風の栖をみて、まっすぐ東へ進むと、小さな道に面して、美味しい名店が色々と並んでいます。大和茶カフェ茶樂茶は、五感で感じるお茶をコンセプトにされているセンスあふれる上質なお茶のお店です。カウンター席の目の前には茶釜があり、実際に店主の方が美しい所作でお茶をたててくださいます。また自分の好きな茶碗を選ぶことができるのも楽しく、私は奈良の赤膚焼きを選んでみました。お茶碗に描かれた小さな絵がとても愛らしいです。ケーキなどのスイーツもありましたが、みたらし団子は七輪で自分であぶりながら食べることができるので、おすすめです。
PM 4:00 浮見堂へ
ならまちの東の端から、小さな路地を抜けて、奈良町天神社(天神大神社)の鳥居をくぐり、浮見堂まであるく小径があります。ここは、あまり知られていないのですが、東大寺まで抜けていくのに、風情ある道を通ることができ木々のなかで鳴く鳥のさえずりが聞こえ、とてもリラックスできる小径です。浮見堂に着くと、鷺池に藁ぶき屋根の八角のお堂が建てられています。なかにはベンチがあり、思い思いにゆったりと時を過ごす人たちで、憩いの時間が流れます。
PM 4:30 飛火野へ
浮見堂から小径を少しのぼると、浅茅ヶ原園が広がります。早春には片岡梅林の梅が咲き、夏は芝生の緑が青々と美しく、奈良時代にはこのあたりは平城京で働く人々の休日のお出かけ場所でした。また、少し先には春日大社参道に面した飛火野があり、御蓋山を背景に、広大な芝と群れ遊ぶ鹿の光景に出会います。どらやきのことを三笠ということがありますが、これは御蓋山の山の形から来ているというお話もあります。
PM 5:30 東大寺 二月堂へ
飛火野から東大寺まではすぐですが、できれば大仏殿の奥にある東大寺二月堂まで足を延ばすのがおすすめです。大仏殿は有料ですが、この二月堂は無料で誰でもいつでも訪れることができます。(大仏殿は閉まる時間がありますのでご注意ください)夕暮れ頃に石段を登って、二月堂の舞台にあがれば、西の眼下に広がる大和平野と沈みゆく夕陽をじっくりと眺めることができます。
東大寺からは市内循環バスで奈良駅まで戻ることができます。歩くことで感じる奈良のゆったりと、清々しい空気、一度味わってみてください。
うごマップ
うごマップをひらくと、駅からバスの乗り方、道の曲がり方を、うごく鹿さんがお伝えします。ぜひ知らないとたどりつけない場所へ、奈良のおもしろさを体験してくださいますように。
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記事:2024年9月 記載
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